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利用者:Nayuta Ito/高校数学から巨大基数まで最速でたどる

2,798 バイト追加, 2021年2月2日 (火) 16:04
編集の要約なし
==第0章 記号の定義==
以下、$ \( \mathbb{N} $\)$ \( 0 $\)以上の整数の集合を表すことにする。 \( \mathbb{R} \)で実数全体の集合を表すことにする。
==第1章 順序数==
===第1節 直積===
集合$ \( A $\)$ \( B $\)に対し、$ \( A $\)$ \( B $\)の直積とは、$ \( \{ (a,b) \mid a \in A, b \in B \} $\)のことであり、$ \( A \times B $\)で表す。
以下に例を示す。
$$ \{ 1, 2, 3 \} \times \{ a, b\} = \{ (1,a), (1,b), (2,a), (2,b), (3,a), (3,b) \} $$
$$ \mathbb{ N } \times \{ 1 \} = \{ (0,1), (1,1), (2,1), \cdots \} = \{ (x,1) | x \in \mathbb{N} \} $$ \( \mathbb{R} \times \mathbb{R} = \{ (x,y) \mid x, y \in \mathbb{R} \} \)であるが、\( (x,y) \)を座標だと思うと、これは座標平面全体に対応する。
===第2節 関係===
集合$ \( A $\)に対し、$ \( A $\)上の関係とは、$ \( A \times A $の部分集合のことである。\)の部分集合のことである。関係は英語でrelationと呼ばれるため、その頭文字を取って\( R \)で表されることが多い。 \( (a,b) \in R \)であるとき、\( a R b \)と書くこともある。 以下に例を示す。 \( A = \{ 1, 2, 3 \} \)上の関係\( R \)を\( \{ (1,1), (1,2), (2,1), (2,2), (3,3) \} \)とすると、\( 1R1, 1R2, 2R1, 2R2, 3R3 \)であるが、\( 1R3, 2R3, 3R1, 3R2 \)ではない。 \( \mathbb{R} \)上の関係\( L \)を\( \{ (x,y) \mid x \leq y \} \)で定義する。このとき\( xLy \)と\( x \leq y \)は同値である。 \( \mathbb{R} \)上の関係\( E \)を\( \{ (x,x) \mid x \in \mathbb{R} \} \)で定義する。このとき\( xRy \)と\( x = y \)は同値である。 ===第3節 全順序集合===集合\( T \)とその上の関係\( R \)の組\( \langle T , R \rangle \)が全順序集合であるとは、\( R \)が次の性質を満たすことである。 # どんな\( x \in T \)に対しても、\( xRx \)が成り立つ。(反射性)# 「\( xRy \) かつ \( yRx \)」 ならば、 「\( x=y \)」。(反対称性)# 「\( xRy \) かつ \( yRz \)」 ならば、 「\( xRz \)」。(推移性)# どんな\( x,y \in T \)に対しても、\( xRy \)と\( yRx \)の少なくとも一方が成り立つ。(比較可能性) 全順序集合とは、\( \langle T , R \rangle \)という組のことであって、\( T \)そのものや\( R \)そのものを指しているわけではない。 以下に例を示す。 \( A = \{ 1, 2, 3 \} \)上の関係\( B \)を\( \{ (1,1), (1,2), (2,1), (2,2), (3,3) \} \)とすると、\( B \)は反射性と推移性を満たすが、反対称性と比較可能性は満たしていないので、\( \langle A , B \rangle \)は全順序集合ではない。 \( T = \{ R, P, S \} \)上の関係\( M \)を\( \{ (R,R), (R,P), (P,P), (P,S), (S,S), (S,R) \} \)とすると、\( M \)は反射性、反対称性、比較可能性を満たすが、推移性は満たしていないので、\( \langle T , M\rangle \)は全順序集合ではない。 \( A = \{ 1, 2, 3 \} \)上の関係\( C \)を\( \{ (1,1), (2,1), (2,2), (3,1), (3,2), (3,3) \} \)とすると、\( C \)は反射性、反対称性、推移性、比較可能性の全てを満たすので、\( \langle A , C \rangle \)は全順序集合である。 \( \mathbb{R} \)上の関係\( L \)を\( \{ (x,y) \mid x \leq y \} \)で定義すると、\( L \)は反射性、反対称性、推移性、比較可能性の全てを満たすので、\( \langle \mathbb{R} , L \rangle \)は全順序集合である。
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