$$\begin{pmatrix}C_{n}&C_{n+1}\\S_{n}&S_{n+1}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}0&-l\\1&r\end{pmatrix}^n\\~または~$$ あるいは $$\begin{pmatrix}S_{n+1}\\S_{n}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}r&-l\\1&0\end{pmatrix}^n\begin{pmatrix}1\\0\end{pmatrix}$$ より得られる数列 ~すなわち~:$$\begin{cases}
S_0=0\\
S_1=1\\
S_{n}=-l(S_{n-2})l+r(S_{n-1})r\end{cases}~として$$
を用いて
:$$z^n=C_{n}+S_{n}z=-l(S_{n-1})l+(S_{n})z\\$$
:$$\begin{array}{l}
z^1=&0+z\\
&\quad\quad\quad\vdots\\
\end{array}$$
:$$z^n=\displaystyle-\left[\sum_{k=0}^{\lfloor (n-2)/2\rfloor}\binom{n-k-2}{k}r^{n-2k-2}l^{k}\right]l+\left[\sum_{k=0}^{\lfloor (n-1)/2\rfloor}\binom{n-k-1}{k}r^{n-2k-1}l^{k}\right]z$$
ちなみに、この数列の一般項は次の通りである。
:$$\displaystyle S_{n}=\frac{\displaystyle\left(r+\sqrt{r^2-4l}\right)^n-\left(r-\sqrt{r^2-4l}\right)^n}{\displaystyle2^n\sqrt{r^2-4l}}=\sum_{k=0}^{\lfloor (n-1)/2\rfloor}\binom{n-k-1}{k}r^{n-2k-1}l^{k}$$
===絶対値が1のケース===
$$z=e^{i\theta}$$ である場合、$$l=1,~r=2\cos\theta$$ であることから
特に $$z\begin{pmatrix}C_{n}&C_{n+1}\\S_{n}&S_{n+1}\end{pmatrix}=e^\begin{ipmatrix}0&-1\\1&2\cos\theta\end{pmatrix}^n$$ のとき、あるいは $$l=\begin{pmatrix}S_{n+1,~r}\\S_{n}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}2\cos\theta&-1\\1&0\end{pmatrix}^n\begin{pmatrix}1\\0\end{pmatrix}$$ であることからより得られる数列
:$$\begin{pmatrix}C_{n}&C_{n+1}\\S_{n}&S_{n+1}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}0&-1\\1&2\cos\theta\end{pmatrix}^n\\~または~\begin{pmatrix}S_{n+1}\\S_{n}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}2\cos\theta&-1\\1&0\end{pmatrix}^n\begin{pmatrix}1\\0\end{pmatrix}~すなわち~\begin{cases}
S_0=0\\
S_1=1\\
S_{n}=-(S_{n-2})+(2\cos\theta)(S_{n-1})(2\cos\theta)\end{cases}~として$$
を用いて
:$$z^n=C_{n}+S_{n}z=-(S_{n-1})+(S_{n})z\\$$
:$$\begin{array}{l}
z^1&=0+z&\\
&\quad\quad\quad\vdots\\
\end{array}$$
と表せる。この場合の数列の一般項は次の通りである。 :$$z^\displaystyle S_{n}=\frac{\displaystyle-\left[(\cos\theta+\sum_sqrt{k=0\cos^2\theta-1}\right)^{n-\lfloor left(n\cos\theta-2)/\sqrt{\cos^2\rfloortheta-1}\binom{right)^n-k-2}{k}(\displaystyle2\sqrt{\cos^2\theta-1)^k}}\left(2=\frac{\cossin n\theta)^}{n-2k-2\sin\theta}\right]+\left[)=\sum_{k=0}^{\lfloor (n-1)/2\rfloor}\binom{n-k-1}{k}(-1)^k(2\cos\theta)^{n-2k-1}\right]z$$
z^2=&z\cdot z\\
=&(-\bar{z}+\bar{z}+z)z\\
=&-(\bar{z}\cdotp z)+(\bar{z}+z)z\\
\end{align*}
==応用==
===ガラパゴ三辺比定理===
ユークリッド平面上の三角形 $$\triangle OAB$$ において、長さが $$x$$ の辺 $$OA$$ と 長さが $$y$$ の辺 $$AB$$ の成す内角が $$\angle A=\theta~\mathrm{rad}$$ である場合、辺 $$OB$$ を $$O$$ を中心として $$\angle O$$ の偶数倍回転させ、それに伴って各辺の長さを伸縮(負数倍も可)して得られる新たな三角形の三辺比は $$x$$、$$y$$、$$r=2\cos\theta$$ の整式で表せるという定理である。本定理を用いることで容易に導出できるが、詳しくは[[ガラパゴ三辺比定理]]を参照のこと。
==実数の累乗==
$$z^2=-l+rz$$ の解 $$z=\frac{r}2\pm\sqrt{\left(\frac{r}2\right)^2-l}$$ は、例えば $$z=\frac{r}2\mp i\sqrt{-\left[\left(\frac{r}2\right)^2+l\right]}$$ のように解釈しても
:$$l=\bar{z}\cdot z$$
:$$r=\bar{z}+z$$
を得ることができる。
一般に、$$z=a+b=a-i\sqrt{-b^2}$$ と任意に解釈しても
:$$l=\bar{z}\cdot z=a^2-b^2$$
:$$r=\bar{z}+z=2a$$
であり、$$z^2=-(a^2-b^2)+2az$$ は $$z=a+b$$ において真である。
また、
$$\begin{pmatrix}C_{n}&C_{n+1}\\S_{n}&S_{n+1}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}0&-(a^2-b^2)\\1&2a\end{pmatrix}^n$$ あるいは $$\begin{pmatrix}S_{n+1}\\S_{n}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}2a&-(a^2-b^2)\\1&0\end{pmatrix}^n\begin{pmatrix}1\\0\end{pmatrix}$$ より得られる数列
:$$\begin{cases}
S_0=0\\
S_1=1\\
S_{n}=-(a^2-b^2)(S_{n-2})+2a(S_{n-1})
\end{cases}$$
を用いて、一般項が $$S_{n}=\frac{\displaystyle(a+b)^n-(a-b)^n}{\displaystyle2b}$$ となることからも
:$$\begin{array}{rl}
z^n=&C_{n}+S_{n}z\\
=&-(a^2-b^2)(S_{n-1})+(a+b)(S_{n})\\
=&\displaystyle\frac{(a+b)[(a+b)^n-(a-b)^n]-(a^2-b^2)[(a+b)^{n-1}-(a-b)^{n-1}]}{2b}\\
z=&a+b~より\\
z^{n-1}=&\displaystyle\frac{[(a+b)^n-(a-b)^n]-(a-b)[(a+b)^{n-1}-(a-b)^{n-1}]}{2b}\\
z^n=&\displaystyle\frac{[(a+b)^{n+1}-(a-b)^{n+1}]-(a-b)[(a+b)^n-(a-b)^n]}{2b}\\
=&\displaystyle\frac{[(a+b)^{n+1}-(a-b)^{n+1}]-[(a-b)(a+b)^n-(a-b)^{n+1}]}{2b}\\
=&\displaystyle\frac{(a+b)^{n+1}-(a-b)(a+b)^n}{2b}\\
=&\displaystyle\frac{(a+b)^n[(a+b)-(a-b)]}{2b}\\
=&(a+b)^n
\end{array}$$
と真であることが確認できる。
===ガラパゴ三角関数===
$$+1$$ と $$z=e^{i\theta}$$ を理論上の基底の元($$z$$ が実数であっても独立した元であるものとみなして区別)とする斜交座標系において、極座標 $$e^{xz}$$ の示す座標の実部と $$z$$ 部を得る関数として次のような等式を想定する。
このことは、複素共役の捉え方を変えることで実数の累乗にも応用可能であることを示している。
:$$e^{xz}=\cos_zx+z\sin_zx$$
これらの関数 $$\cos_zx$$ と $$\sin_zx$$ のマクローリン展開形は、本定理によって示すことが可能である。詳しくは[[ガラパゴ三角関数]]を参照のこと。===黄金数とフィボナッチ数列===
==黄金数・フィボナッチ数列など二項間漸化式との関係性==黄金数を $$\displaystyle z=\phi=\frac{1+\sqrt5}2=:\frac12-\frac{\sqrt{-5}}{2}i$$ と解釈して本定理を適用するととみなして解釈するならば
:$$l=\left(\frac12+\frac{\sqrt{-5}}2i\right)\left(\frac12-\frac{\sqrt{-5}}2i\right)=\left(\frac14+\frac{-5}4\right)=-1$$
:$$r=2\timesleft(\frac12+\frac{\sqrt{-5}}2i\right)+\left(\frac12-\frac{\sqrt{-5}}2i\right)=1$$ であるため、
であるため、本定理に従って$$\begin{pmatrix}C_{n}&C_{n+1}\\S_{n}&S_{n+1}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}0&1\\1&1\end{pmatrix}^n$$ あるいは $$\begin{pmatrix}S_{n+1}\\S_{n}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}1&1\\1&0\end{pmatrix}^n\begin{pmatrix}1\\0\end{pmatrix}$$ より得られる
数列 $$\begin{pmatrix}C_{n}&C_{n+1}\\S_{n}&S_{n+1}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}0&1\\1&1\end{pmatrix}^n\\~または~\begin{pmatrix}S_{n+1}\\S_{n}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}1&1\\1&0\end{pmatrix}^n\begin{pmatrix}1\\0\end{pmatrix}~すなわち~\begin{cases}
S_0=0\\
S_1=1\\
S_{n}=(S_{n-2})+(S_{n-1})
\end{cases}$$ または 一般項 $$S_{n}=\frac{\displaystyle\left(1+\sqrt{5}\right)^n-\left(1-\sqrt{5}\right)^n}{\displaystyle2^n\sqrt{5}}$$
という数列を用いた漸化式を想定できる。を用いて
:$$z^n=C_{n}+S_{n}z=(S_{n-1})+(S_{n})z\\$$
この が導かれる。この $$S_n$$ はフィボナッチ数列と同一であり、黄金数とフィボナッチ数列の関係式と $$z^n$$ は黄金数とフィボナッチ数列の関係式
:$$\displaystyle F_n=\frac{\phi^n-(-\phi)^{-n}}{\sqrt{5}}$$
:$$\phi^n=F_n\phi+F_{n-1}$$
とも一致する。と同一であることが分かる。
一般に、$$z^2=C+Sz$$ の解 を $$z=\frac{S}2\pm\sqrt{\left(\frac{S}2\right)^2+C}:=$$ と解釈する場合、
:==応用=====ガラパゴ三辺比定理===ユークリッド平面上の三角形 $$\triangle OAB$$lにおいて、長さが $$x$$ の辺 $$OA$$ と 長さが $$y$$ の辺 $$AB$$ の成す内角が $$\angle A=\bartheta~\mathrm{zrad}$$ である場合、辺 $$OB$$ を $$O$$ を中心として $$\cdot z=-Cangle O$$ の偶数倍回転させ、それに伴って各辺の長さを伸縮(負数倍も可)して得られる新たな三角形の三辺比は $$x$$、$$y$$:、$$r=2\bar{z}+z=Scos\theta$$の整式で表せるという定理である。本定理を用いることで容易に導出できるが、詳しくは[[ガラパゴ三辺比定理]]を参照のこと。
であるため、本定理に従って===ガラパゴ三角関数===$$+1$$ と $$z=e^{i\theta}$$ を理論上の基底の元($$z$$ が実数であっても独立した元であるものとみなして区別)とする斜交座標系において、極座標 $$e^{xz}$$ の示す座標の実部と $$z$$ 部を得る関数として次のような等式を想定する。
:$$\begin{pmatrix}C_{n}&C_{n+1}\\S_{n}&S_{n+1}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}0&C\\1&S\end{pmatrix}^n\\~または~\begin{pmatrix}S_{n+1}\\S_{n}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}S&C\\1&0\end{pmatrix}e^n\begin{pmatrixxz}1\\0\end{pmatrix}~すなわち~\begin{cases}S_0=0\\S_1=1\\S_{n}=(S_{n-2})Ccos_zx+(S_{n-1})Sz\end{cases}sin_zx$$
より これらの関数 $$S_{n}=(S_{n-2})C+(S_{n-1})S\cos_zx$$ という二項間漸化式からなる数列が現れることがわかる。と $$\sin_zx$$ は、本定理と非常に密接な関係にある。詳しくは[[ガラパゴ三角関数]]を参照のこと。