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利用者:Nayuta Ito/高校数学から巨大基数まで最速でたどる

1,155 バイト追加, 2021年2月17日 (水) 08:19
‎特別機動捜査隊「私の文字数は53万です」
という無限列が得られる。さらに、これらのどれよりも大きい
$$ O_{\omega2} = \{ O_0, O_1, O_2, \cdots, O_{\omega}, O_{\omega+1}, O_{\omega+2} \cdots \} $$
も順序数である。もちろん、\( \mathrm{succ}(O_{\omega2}) = O_{\omega2+1} \)も順序数だし、\( \mathrm{succ}(O_{\omega2+1}) = O_{\omega2+2} \)も順序数である。順序数は、いくら具体例をリストアップしても文字通りの意味で切りがない。
# \( \beta = O_0 = \emptyset \)のとき: \( \alpha + O_0 = \beta \)
# \( \beta = \mathrm{succ}(\gamma) \)のとき: \( \alpha + \mathrm{succ}(\gamma) = \succ{\alpha + \gamma} \)
# それ以外のとき: \( \alpha + \beta = \displaystyle{\lim_{\gamma < \beta}} (\alpha + \beta) \)
ただし、最後の式の\( \lim \)は\( \gamma < \beta \)の範囲での順序数的な意味での極限である。高校数学のように書くなら\( \displaystyle{\lim_{\gamma \rightarrow \beta - 0}} \)となるが、順序数とマイナス記号を同時に扱うことはあまりないのでこのような書き方になっている。
以下に例を示す。
# \( \beta = O_0 = \emptyset \)のとき: \( \alpha \cdot O_0 = O_0 \)
# \( \beta = \mathrm{succ}(\gamma) \)のとき: \( \alpha \cdot \mathrm{succ}(\gamma) = \alpha \cdot \gamma + \alpha \)
# それ以外のとき: \( \alpha \cdot \beta = \displaystyle{\lim_{\gamma < \beta}} (\alpha \cdot \beta) \)
加法の定義と同じように、3つに分けて定義されている。\( \beta \)が極限順序数であるときの定義は加法と全く同じである。加法と乗法以外にも極限順序数に対して同様の定義を行っているものは多いが、ここでは触れないことにする。
これは\( O_2 \cdot O_0=O_0, O_2 \cdot O_1=O_2, O_2 \cdot O_2=O_4, \cdots \)のという列の極限である。すなわち、整数\( 0, 2, 4, \cdots \)の極限が\( +\infty \)であるのと同様にして、順序数\( O_0, O_2, O_4, \cdots \)の極限は\( O_{\omega} \)となる。すなわち、
$$ O_{\omega} \cdot O_2 = O_{\omega2} \neq O_{\omega} = O_2 \cdots cdot O_{\omega} $$
である。
高校数学では「入力が実数で出力も実数」の関数を考えることが多いが、ここではその入力と出力を別の集合にすることを考える。例えば「入力が\( \{ a, b, c \} \)で出力が\( \{ 1, 2, 3 \} \)」の関数\( f \)を
$$ f(a) = 2, f(cb) = 1, f(bc) = 3 $$
のように定義すれば、これは1つの関数になっている。あるいは、高校数学では\( y = \sqrt{x} \)という関数を扱うが、これは\( x < 0 \)では定義されない。すなわち、\( y = \sqrt{x} \)は「入力が\( \{ x \mid x \geq 0 \} \)で出力が\( \mathbb{R} \)」の関数だと思えばよい。
一方、\( A = \{ x \mid x \geq 1 \}, B = \mathbb{R}, f(x) = x^3-3x \)とすると、これは単射である。なぜなら、どんな実数\( y \)に対しても\( x^3 - 3x = y \)は定義域すなわち\( x \geq 1 \)の範囲に実数解を最大でも1個しか持たないからである。証明は読者の演習問題とする(実際にグラフを描くとこのことは明らかになる)。
[ここに√xの例を挿入]\( y = \sqrt{x} \)の定義域は\( \{ x \mid x \geq 0 \} \)である。終域が\( \mathbb{R} \)であっても\( \{ y \mid y \geq 0 \} \)であっても、これは単射である。
===第3節 全単射===
定義域が\( A \)、終域が\( B \)であるような関数\( f \)が全単射であるとは、\( f \)が全射かつ単射であることである。すなわち、\( y \in B\)を定数としたときの\( x \)の方程式
 
$$ y = f(x) $$
 
が\( x \in A \)の範囲に必ずちょうど1個の解を持つことである。
たとえば、\( A =\mathbb{R}, B =\mathbb{R}, f(x) =第3節 全単射==x^3-3x \)のとき、\( f \)は全射であるが単射ではないので、全単射ではない。 \( y =\sqrt{x} \)の定義域は\( \{ x \mid x \geq 0 \} \)である。もし終域が\( \mathbb{R} \)であれば、これは単射であるが全射ではないので、全単射ではない。一方、もし終域が\( \{ y \mid y \geq 0 \} \)であれば、これは全射かつ単射であるので、全単射である。
\( A = \mathbb{R}, B = \mathbb{R}, f(x) = -x^3 \)のとき、\( f \)は全単射である。証明は読者への演習問題とする。
==第1½章 集合の濃度===
==第1¾章 カントールの対角線論法==
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