ガラパゴ数学
ガラパゴ数学(がらぱごすうがく、Galapagothmetic)とは、多様体型オブジェクト上の座標または座標によって示される大きさを数と捉える数学の考え方(視点)である。
はじめに
ガラパゴ数学は、創始者である みゆ が「数とはなにか」「演算とはなにか」という数学の根幹・本質を追求したことによって生み出された。扱う対象が数理である以上、そこから得られる結果が既存の数学と異なるわけではないが、ガラパゴ数学の特徴は独自の視点による見通しの良さにあり、幾何・線形代数・整数論・群論といった数学の各分野をシームレスにしている。
特定の学問分野にカテゴライズされるようなものではなく、数理を扱う上での考え方(視点)を得ることがガラパゴ数学の主題である。概念を伝達する便宜上、既存の数学表現や日常用語あるいは図示などを用いた翻訳によって説明されるが、数式や用語などを定義したり表現方法を定めたりすることは本来は範疇ではない。
ガラパゴ数学という名は、「隔離空間で独自に進化した数学」という意味で ガラパゴス(諸島)+ 数学 より命名された。英語表記の Galapagothmetic は Galapagoth + Arithmetic を語源とし、数学(mathematics)の中でもとりわけ数の概念や演算の論理的手続きを明らかにするという意味合いで算術(arithmetic)の語が用いられている。
ガラパゴ数学は既存の数学とは大きく異なる思考体系を持つことに注意されたい。
数
多様体型オブジェクト上の座標または座標によって示される大きさを 数 と呼ぶ。一般に多様体といえば「局所的にはユークリッド空間と見なせるような図形や位相空間」と表現されるが、ここでいう多様体型オブジェクトとは数直線や複素平面、線形空間のような多様体(の一部)とみなして扱うことができるオブジェクト(図形)の総称で、座標・大きさ・方向(姿勢) という概念を適用可能という特徴を持つ。また、座標によって示される大きさというのは必ずしも1次元的である必要はない。このようなオブジェクトに対し一定のルールに従って座標をマッピングしたとき、そのルールと座標全体を総称して 座標系 と呼ぶ。
座標系
ガラパゴ数学において主として扱われる座標系は以下のルールをベースとする。
- 任意の座標を座標の基準(原点)とし、0 と名付ける。
- 任意の座標によって示される量を大きさの基準とし、$$\mathrm{P}$$ と名付ける。
特に $$\mathrm{P}$$ が1次元的な大きさを持つ場合
- $$\mathrm{P}$$ の大きさを 1 と名付ける。
- $$\mathrm{P}$$ の指し示す方向を + と名付ける。
- 0 を基準として $$\mathrm{P}$$ の指し示す座標を +1 と名付ける。
混同の恐れがない限り、座標の +1 は単に 1 と略すことができる。
0 や $$\mathrm{P}$$ は任意に定めることができるため、異なる複数の座標系を想定することができる。
演算
同一の(または同一視可能な)多様体型オブジェクトに複数の座標系を想定したとき、異なる座標系同士の座標を相互に翻訳することを 演算 と呼ぶ。
加減算
加減算は「$$\mathrm{P}$$ が共通で 0 の異なる座標系 A と B に対する演算」に該当し、主に加算と減算の二種類に分けられる。
加算(足し算)
- A における a が B における 0 のとき、B における b は A における a+b
減算(引き算)
- A における a が B における b のとき、B における 0 は A における a-b
乗除算
乗除算は「0 が共通で $$\mathrm{P}$$ の異なる座標系 A と B に対する演算」に該当し、主に乗算と除算の二種類に分けられる。
乗算(掛け算)
- A における a が B における $$\mathrm{P}$$ のとき、B における b は A における a×b
除算(割り算)
- A における a が B における b のとき、B における $$\mathrm{P}$$ は A における a÷b
加減算と乗除算を合わせて四則演算と呼ぶ。
既存の数学による説明
ガラパゴ数学における演算の概念を既存の数学用語で表現するならば、対称性を用いて図形を同一視する手法であると説明することができる。
例えば、加減算は直線の並進対称性である。「直線をどれだけ動かすか」を1つ指定しこれをaとすると、これは既存の数学では直線の持つ対称性の1つとなる。ガラパゴ数学では動かす前と後の直線を f(x)=a+x という関係性で同一視し、これを足し算とみなす。