メインメニューを開く

差分

ガラパゴ三辺比定理

560 バイト追加, 2019年9月19日 (木) 11:56
編集の要約なし
==概要==
辺 $$OA$$ の長さが $$x$$、辺 $$AB$$ の長さが $$y$$、これら二辺の成す内角が $$\angle A=\theta~\mathrm{rad}$$ であるようなユークリッド平面上の三角形 $$\triangle OAB$$ の三辺比は次の通りである。
 
 
:$$x$$ : $$y$$ : $$\sqrt{x^2+y^2-2xy\cos\theta}$$
 
 
この三辺比は、$$OA$$ 上に $$\angle OA'B$$ が直角となるような点 $$A'$$ を置くことで(その直角を挟む二辺の長さがそれぞれ $$x+y\cos(\pi-\theta)$$ と $$y\sin(\pi-\theta)$$ であることから)容易に導出できるが、三平方の定理に起因する平方根項が存在するため整式の比とはなっていない。
しかし、$$\angle O$$ を偶数倍すなわち辺 $$OB$$ を $$O$$ を中心として回転させ、それに伴って各辺の長さを伸縮(負数倍も可)して得られる新たな三角形の三辺比は $$x$$、$$y$$、$$cr=2\cos\theta$$ の整式で表すことができる。
$$\angle O$$ を2倍した場合
:$$x^2-y^2$$ : $$2xy-2cyry^2$$ : $$x^2+y^2-2cxyrxy$$
$$\angle O$$ を4倍した場合
:$$x^4+y^4-6x^2y^2+8cxy4rxy^3-4cr^2y^4$$ : $$-4x^3y+4xy^3+12cx6rx^2y^2-4cy4xy^4-16c3+4r^2xy^3-2ry^4+8cr^3y^4$$ : $$(x^2+y^2-2cxyrxy)^2$$
角度が $$\theta~\mathrm{rad}$$ である内角の対辺を $$x+yz$$ で表現すると、ここに見いだされる三角形の三辺比は、
 
 
:$$x$$ : $$y$$ : $$|x+yz|$$
  である。この三角形の第三項 $$|x+yz|$$ に対応する辺を 第一項 に対応する辺を第一項 $$x$$ に対応する辺との交点を中心にそれらの狭角が2倍になるように回転した線分を延長して得られる直線は、に対応する辺との狭角が2倍になるように回転して延長したとき、これによって得られた直線は $$(x+yz)$$ を $$+1$$ とみなした相似な座標系においても とみなした相似な座標系においても同じく $$x+yz$$ を通るためを通る。 すなわちこの基底空間上の座標において、この直線は  :$$(x+yz)\times(x+yz)=(x+yz)^2=x^2+y^2z^2+2xyz$$  
を通るといえる。([[ガラパゴ数学]]の乗算の項を参照)
この座標は[[ガラパゴ累乗定理]]によってにより $$1$$ と $$z$$ の一次結合の形で表すことができる。  :$$r'=2\cos(\pi-\theta)=-2\cos\theta$$:$$z=r'z-1$$  :$$\begin{align*}(x+yz)^2=&x^2+y^2(2z\cos(\pi-\theta)r'z-1)+2xyz\\=&x^2+y^2(-2z\cos\thetar'z-1)+2xyz\\=&(x^2-y^2)+(2xy-2y+r'y^2\cos\theta)z\\\end{align*}$$  これを新たな三角形とみるならばその三辺比は  :$$x^2-y^2$$ : $$2xy+r'y^2$$ : $$z|x+yz|^2$$ の一次式の形で表すことができる。  すなわち 
これによって示された新たな三角形の三辺比は
:$$x^2-y^2$$ : $$2xy-2y^2\cos\theta$$ : $$|x+yz|^2$$
であるが、 となっており、さらに $$z=e^{i(\pi-\theta)}=\cos(\pi-\theta)+i\sin(\pi-\theta)$$ であるためと展開すれば  :$$\begin{align*}|x+yz|^2=&\big|[x+y\cos(\pi-\theta)]+[y\sin(\pi-\theta)]i\big|^2\\=&\left(\sqrt{[x+y\cos(\pi-\theta)]^2+[y\sin(\pi-\theta)]^2}\right)^2\\=&\left(\sqrt{(x-y\cos\theta)^2+(y\sin\theta)^2}\right)^2\\=&\left(\sqrt{x^2+y^2(\cos^2\theta+\sin^2\theta)-2xy\cos\theta}\right)^2\\=&\left(\sqrt{x^2+y^2-2xy\cos\theta}\right)^2\\=&x^2+y^2-2xy\cos\theta \end{align*}$$  であるため、したがって先程の比率は によって
:$$x^2-y^2$$ : $$2xy-2y^2\cos\theta$$ : $$x^2+y^2-2xy\cos\theta$$
と書き改めることができる。この比率は二辺の成す角が  または $$r=2\cos\theta$$ を用いて  :$$x^2-y^2$$ : $$2xy-ry^2$$ : $$x^2+y^2-rxy$$  と書き改めることができる。この比率の三角形は $$1$$ と $$z$$ を基底とする斜交座標形式の複素数で表されていることから二辺の成す角が $$\theta~\mathrm{rad}$$ である三角形の三辺比といえる。である。
初めの操作で狭角が偶数倍になるように回転させた場合も、偶数乘の相似比を想定することになるため この操作で狭角を2倍ではなく一般に偶数倍として回転させた場合でも、相似比は偶数乗を想定することになるため $$|x+yz|=\sqrt{x^2+y^2-2xy\cos\theta}$$ が偶数乗されて根号は外れる。は偶数乗されて根号が外れる。
==三辺比恒等式==
ガラパゴ三辺比定理で示される三角形の三辺比より、以下の恒等式を導くことができる。
 
\begin{align*}
&(x^2+y^2-2xy\cos\theta)^2\\