==幾何への応用==
複素平面上において、$$0$$ を始点とし $$+1$$ を終点とするベクトル $$\vec{s}$$ と、同じく $$0$$ を始点とし実数ではない任意の複素数 $$z$$ を終点とするベクトル $$\vec{t}$$ は線形独立である。$$\vec{t}$$ を、原点を中心として $$\vec{s}$$ と $$\vec{t}$$ の成す角度の整数倍回転させて得られるベクトル $$\vec{u}$$ は、この累乗恒等式によって は、本定理によって $$\vec{s}$$ と $$\vec{t}$$ を基底の元とするベクトル空間上に表現可能である。
===みゆの三辺比定理===
ユークリッド平面上の三角形 $$\triangle ABC$$ において、辺 $$AB$$ と 辺 $$AC$$ の成す内角が $$\angle A=\theta~\mathrm{rad}$$ である場合、$$\angle B$$ の角度を偶数倍(それに合わせて辺 $$AB$$ と $$AC$$ の長さを伸縮)して得られる新たな三角形の三辺比は $$AB$$ の長さ、$$AC$$ の長さ、$$\cos\theta$$ を変数とみなした整式で表せる。このことは本定理を用いることで容易に導出できるが、詳しくは[[みゆの三辺比定理]]を参照のこと。