===第3正規形===
関係表が'''第3正規形'''であるとは、第2正規形であって、かつ関係スキーマの任意の互いに交わらないどれもが空でない部分集合\( A, B, C \)が、「\( C \)は\( B \)に関数従属し、かつ\( B \)は\( A \)に関数従属する」という条件を満たさないことである。
たとえば、関係スキーマが\( \underline{X}, \underline{Y}, F, G \)であり、各タプルが\( \{ x_i, y_j, f(x_i, y_i), g(f(x_i, y_i)) \} \)で与えられるような関係表が存在するとき、\( G \)が\( F \)に関数従属するため第3正規形ではない。
これを第3正規形にするためには、この関係表を\( \underline{X}, \underline{Y}, F \)と\( \underline{F}, G \)に分割すればよい。
次の例を考えよう:
第2正規形の例で用意した論文の通し番号をここでも使う。関係スキーマを\( \underline{\mathrm{Paper}}, \mathrm{Date}, \mathrm{Weekday} \)とする。\( \{ (\mathrm{Paper}, j), (\mathrm{Date}, d), (\mathrm{Weekday}, w), \} \)がこの関係表のタプルであるとき、次のような条件を満たしているとする:
* \( d \)は論文\( j \)の発表日を示す(YYYY-MM-DDのような形式の)文字列である。
* \( w \)は\( d \)の曜日を表す整数である。月曜日を\( 1 \)とし、日曜日を\( 7 \)とする。<ref>これはISO 8601という国際規格で定義されている。</ref>
この関係表は第3正規形ではない。なぜなら、\( \mathrm{Weekday} \)は\( \mathrm{Date} \)に関数従属し、\( \mathrm{Date} \)は\( \mathrm{Paper} \)に関数従属するからである。日常の言葉で言えば、曜日は論文ではなく日付に対する属性だからである。
これを第3正規形にするには、\( \underline{\mathrm{Paper}}, \mathrm{Date}, \mathrm{Weekday} \)を\( \underline{\mathrm{Paper}}, \mathrm{Date} \)と\( \underline{\mathrm{Date}}, \mathrm{Weekday} \)の2つの関係表に分割すればよい。逆に、この2つの表を1つに戻すためには、第2正規形を第1正規形にしたときと同じように自然結合を行えばよい。
===ボイス・コッド正規形===