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集合論

3,373 バイト追加, 2021年1月11日 (月) 00:41
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==直積とべき集合==
===直積===
2つの空ではない集合$$A, B$$に対して、
$$A \times B \equiv \{ (a, b) | a \in A, b \in B\}$$
を$$A$$と$$B$$の'''直積集合'''という。このときの元、あるいはデカルト積という。このときの元$$(a,b)$$を'''順序対'''という。 たとえば$$A$$の元を$$(1, 3, 5)$$、$$B$$の元を$$(2, 4, 6)$$としたとき、これの直積$$A \times B$$は次のような順序対になる。 $$A \times B = \{ (1, 2), (3, 4), (5, 6)\}$$ また今度は反対に$$A$$と$$B$$を入れ替えた直積$$B \times A$$では次のような順序対になる。 $$B \times A = \{ (2,1), (4,3), (6,5)\}$$ このように、直積は$$A \times B \neq B \times A$$となる。  これはたとえば、2つの実数集合$$\mathbb{R}$$同士の直積$$\mathbb{R} \times \mathbb{R}$$を考えるとわかりやすい。 この直積は要するに片方の$$\mathbb{R}$$を$$X$$、もう片方を$$Y$$とおくと腑に落ちるように、これは普段、解析などで$$X$$軸、$$Y$$軸と呼び親しんでいるかの直交座標系に相当する。ともすれば、そこで順序対の元同士が入れ替わったら同じ意味にならないことは自明であろう。 また当然ながら、この直積にさらにもう1つ、実数集合$$\mathbb{R}$$を組み込んだ直積$$\mathbb{R} \times \mathbb{R} \times \mathbb{R}$$は空間座標系に相当することとなる。 こうした複数の、同じ集合同士の直積はたとえば$$\mathbb{R} \times \mathbb{R}$$なら$$\mathbb{R}^2$$、$$\mathbb{R} \times \mathbb{R}\times \mathbb{R}$$なら$$\mathbb{R}^3$$と表すことができる。特にこれが$$n$$個の同一の集合からなる直積であった場合、これを'''$$n$$次元ユークリッド空間'''と呼ぶ。===べき集合===集合$$A$$を考える。このとき、$$A$$の部分集合となるような集合全体を'''べき集合'''(冪集合)といい、$$P(A)$$と表す。 つまりべき集合では、それまで集合の元を適当な数字だったり文字だったりで具体的に表現していたところをその元もまた集合で、'''元として'''扱うことが特徴である。 たとえば集合$$A$$の元が$$\{ a, b,\}$$であった場合、単純に考えれば2つの元を持つ集合$$A$$とみれるが、これをべき集合と考えたとき、次のように表現される。 $$P(A) = \{(\emptyset ), (a), (b),(a,b)\}$$ このことからわかるようにべき集合の元の数は、単純な集合として見たときの元の数$$n$$を冪とする性質がある。 ==関係=====二項関係と同値関係===集合$$A$$と集合$$B$$による順序対による集合を'''二項関係'''という。この場合、直積$$R \subset A \times B$$の部分集合$$R$$を意味する。$$R-$$関係ともいう。また$$n$$個の集合$$A, B, C \cdots$$との関係を'''$$n$$項関係'''という。 このとき、2次元ユークリッド空間$$A^2$$となるような直積$$A \times B$$が同値関係である、要するに全く同じ集合同士であるというためには次の条件を満たす必要がある。 ::1. '''反射律'''を満たしている。: 任意の$$a \in A$$に対して$$(a,a) \in R$$::2. '''対称律'''を満たしている。: $$(a, b) \in R$$ならば$$(b,a) \in R$$::3. '''推移律'''を満たしている。: $$(a, b), (b, c) \in R$$ならば$$(a, c) \in R$$ 上の条件を合わせて'''同値律'''といい、これを満たす同値関係$$A$$と$$B$$は、$$A$$~$$B$$とも表される。
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