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利用者:Nayuta Ito/高校数学から巨大基数まで最速でたどる

1,614 バイト追加, 2021年2月19日 (金) 13:36
一方、一番下の例は「空集合のみを要素に持つ集合」である。この集合には空集合という要素が\( 1 \)個あるので、その濃度は\( 0 \)ではなく\( 1 \)である。
以下は、濃度に関する当然だが重要な事実である。\( A, B \)は有限でも無限でもよい集合とする。無限集合の濃度は次の節で扱う。は有限集合とする。
* \( A \)を定義域、\( B \)を終域とする全射が存在するとき、\( A \)の濃度は\( B \)の濃度以上である。
$$ f(x) = 2x $$
とすると、これは全単射である。全単射が存在するということは、濃度は同じでなければならない。とすると、これは全単射である。全単射が存在するということは、濃度は同じでなければならない。有限集合の場合は、「全単射が存在するとき、濃度が等しい」は濃度に関する性質であったが、無限集合の場合は逆にこれを定義とする。濃度の以上、以下の関係についても同様に定める。すなわち、無限集合\( A, B \)に対して
[全単射による等濃* \(equinumerousA \)の定義を挿入]を定義域、\( B \)を終域とする全射が存在するとき、\( A \)の濃度は\( B \)の濃度以上である。* \( A \)を定義域、\( B \)を終域とする単射が存在するとき、\( A \)の濃度は\( B \)の濃度以下である。* \( A \)を定義域、\( B \)を終域とする全単射が存在するとき、\( A \)の濃度は\( B \)の濃度と等しい。 が成り立つように無限集合の濃度を定義する。このように定義すると、きちんと濃度の「等しい」「以上」「以下」が自然数の大小関係に似た性質を持つ、すなわち濃度に大小関係があるとみなせることが知られている。 最小の無限集合の濃度は\( \mathbb{N} \)の濃度である。その濃度を\( \aleph_0 \)(アレフ・ゼロ)と書く。 整数全体の集合\( \mathbb{Z} \)の濃度は\( \aleph_0 \)である。これは、次のような\( \mathbb{N} \)と\( \mathbb{Z} \)の間の全単射が存在することからわかる: $$ f(0) = 0, f(1) = +1, f(2) = -1, f(3) = +2, f(4) = -2, \cdots $$ これよりも複雑な全単射を用いることで、有理数全体の集合\( \mathbb{Q} \)の濃度も\( \aleph_0 \)であることが知られている。
[アレフ0とアレフ1の定義を挿入]一方、\( \mathbb{R} \)の濃度は\( \mathbb{N} \)の濃度より大きい(すなわち等しくない)ことが知られている。\( \mathbb{R} \)の濃度を'''連続体濃度'''といい\( \mathfrak{c} \)で表す。
==第1¾章 カントールの対角線論法==
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