利用者:Nayuta Ito/ガラパゴ三角関数の加法定理
このページでは、ガラパゴ三角関数の世界にもコスモスが咲くのかを検討する。
定義
$$ \tau $$をユークリッド平面における円の周の長さをその半径で割った値、すなわち$$ 2\pi $$とする。
$$ e^{\tau i x} $$を$$ \mathbb{P}^x $$と表す。
$$ z $$を絶対値が$$ 1 $$の複素数とする。このとき、各$$ x \in \mathbb{R} $$に対し
$$ e^{xz} = C + zS $$
を満たす$$ C, S \in \mathbb{R} $$が唯一つ存在する。この$$ C, S $$をそれぞれ
$$ \cos\left(x, z\right), \sin\left(x, z\right) $$
と書くことにする。
$$ z = \pm 1 $$のときは上の定義では$$ \cos, \sin $$は定義されないが、このときは$$ z $$を単位円周上から近づけたときの極限として定義する。
観察
$$ \cos\left(x, i\right) = \cos{x}, \sin\left(x, i\right) = \sin{x} $$であり、
$$ \sin{(x+y)} = \sin{x}\cos{y}+\cos{x}\sin{y} $$
$$ \cos{(x+y)} = \cos{x}\cos{y}-\sin{x}\sin{y} $$
が成り立っている。
$$ \cos\left(x, -1\right) = (1+x)e^{-x}, \sin\left(x, -1\right) = xe^{-x} $$であり、
$$ \begin{align*} & \cos\left(x+y, -1\right) \\ &= (1+x+y)e^{-(x+y)} \\ &= \left( (1+x)(1+y)-xy \right)e^{-x}e^{-y} \\ &= \cos\left(x, -1\right)\cos\left(y, -1\right)-\sin\left(x, -1\right)\sin\left(y, -1\right) \end{align*} $$
$$ \cos\left(x, 1\right) = (1-x)e^{-x}, \sin\left(x, 1\right) = xe^{-x} $$であり、
$$ \begin{align*} & \cos\left(x+y, -1\right) \\ &= (1-x-y)e^{-(x+y)} \\ &= \left( (1-x)(1-y)-xy \right)e^{-x}e^{-y} \\ &= \cos\left(x, 1\right)\cos\left(y, 1\right)-\sin\left(x, 1\right)\sin\left(y, 1\right) \end{align*} $$
ここから次のことが予想できる:
$$ \cos\left(x+y, z\right) = \cos\left(x, z\right)\cos\left(y, z\right)-\sin\left(x, z\right)\sin\left(y, z\right) $$
視えたら自明かもしれない