「電磁気の方程式」の版間の差分
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電荷に[[クーロン力]]を及ぼす場を'''電場'''というが、同質の物体では電束密度を電場に比例の関係で「変換」できる。 | 電荷に[[クーロン力]]を及ぼす場を'''電場'''というが、同質の物体では電束密度を電場に比例の関係で「変換」できる。 | ||
\[\bm{D}=\varepsilon \bm{E}\] | \[\bm{D}=\varepsilon \bm{E}\] | ||
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* \(\bm{E}\):電場 | * \(\bm{E}\):電場 | ||
* \(\varepsilon\):誘電率 | * \(\varepsilon\):誘電率 | ||
この比例定数を'''誘電率'''という。誘電率は物質に固有の定数である。 | この比例定数を'''誘電率'''という。誘電率は物質に固有の定数である。 | ||
− | '''電位''' | + | '''電位'''は次のように表される。基準点からその点まで電場を線積分したものの正負を逆にしたものである。これは経路に依らない。 |
\[V:=-\int_{\bm{x_0}}^{\bm{x}}\bm{E}\cdot d\bm{s}\] | \[V:=-\int_{\bm{x_0}}^{\bm{x}}\bm{E}\cdot d\bm{s}\] | ||
* \(\bm{x}\):位置ベクトル | * \(\bm{x}\):位置ベクトル | ||
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− | + | ある空間をとったとき、その表面から出ていく電束を総和すると、空間内の電荷の総量となる。 | |
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+ | ===磁束と電位の関係=== | ||
+ | ある平面をとったとき、それを貫く総磁束の時間変化率の符号を入れ替えたものが縁にそった起電力となる。 | ||
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+ | 真空空間の原点に電荷 \(Q\) がある時の電場の大きさ \(E(r,\theta,\phi)\) 。 | ||
+ | 対称性より \(E\) は \(r\) のみに依存する。 | ||
+ | 電束と電荷の関係式より | ||
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+ | \int_S \bm{D}\cdot d\bm{s} &=& Q\quad(S:半径rの球体)\\ | ||
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+ | よって、 | ||
+ | \[E = \frac Q{4\pi r^2 \cdot\varepsilon}\\\] | ||
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2022年1月21日 (金) 12:26時点における最新版
電磁気の方程式とは、大学入試と「物理」において、電場や磁場の振る舞いを記述する手段である。
大学入試と「物理」ではマクスウェル方程式を基とした次の3(+補足の式)の式 [1] で表される。 \begin{eqnarray*} \newcommand{\bm}[1]{\boldsymbol{#1}} \displaystyle\div\bm{D} &=& \rho\\ \displaystyle -\dot{\bm B}&=& \operatorname{rot}\bm E\\ \displaystyle \operatorname{rot}\bm{H} &=& \bm i\\ (\iff 4\pi r^2d\bm{H} &=& id\bm{l}\times\hat{\bm{r}}) \end{eqnarray*}
各式の文字の意味することや解説は以下の項で解説する。
物理量の定義
点電荷 \(q\) から大きさ合計 \(q\) だけの電束(ベクトル量)が等方に湧き出している。単位面積あたりの電束を電束密度(ベクトル量)という。
電荷にクーロン力を及ぼす場を電場というが、同質の物体では電束密度を電場に比例の関係で「変換」できる。 \[\bm{D}=\varepsilon \bm{E}\]
- \(\bm{D}\):電束密度
- \(\bm{E}\):電場
- \(\varepsilon\):誘電率
この比例定数を誘電率という。誘電率は物質に固有の定数である。
電位は次のように表される。基準点からその点まで電場を線積分したものの正負を逆にしたものである。これは経路に依らない。 \[V:=-\int_{\bm{x_0}}^{\bm{x}}\bm{E}\cdot d\bm{s}\]
- \(\bm{x}\):位置ベクトル
- \(\bm{x_0}\):基準点の位置ベクトル
- \(\bm{E}\):電場
各式の意味
電束と電荷の関係
ある空間をとったとき、その表面から出ていく電束を総和すると、空間内の電荷の総量となる。
磁束と電位の関係
ある平面をとったとき、それを貫く総磁束の時間変化率の符号を入れ替えたものが縁にそった起電力となる。
電流と磁場の関係
ある曲面の縁にそって磁場を足し合わせるとその曲面を貫く電流になる。
例
真空空間の原点に電荷 \(Q\) がある時の電場の大きさ \(E(r,\theta,\phi)\) 。 対称性より \(E\) は \(r\) のみに依存する。 電束と電荷の関係式より \begin{eqnarray*} \bm D &=& \rho\\ \displaystyle \int_S \bm{D}\cdot d\bm{s} &=& Q\quad(S:半径rの球体)\\ 4\pi r^2 \cdot\varepsilon E &=& Q\\ \end{eqnarray*} よって、 \[E = \frac Q{4\pi r^2 \cdot\varepsilon}\\\]
脚注
- ↑ マクスウェル方程式は4式あり、 うち3つは上に上げた3式と同種のものである。 残り1つは磁束の振る舞いについてのものであり、 次式のようなものである。 \[\div\bm B=0\] すなわち、磁束の湧き出しが0である。 しかしながら、 これを実践上で意識することは少ないため 上の解説では省略している。