「利用者:Nayuta Ito/素微分友愛数の研究の進展」の版間の差分
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* 結果2: \( (p, q) \)が素微分友愛数の組のとき、\( p \)と\( q \)は互いに素である。[[利用者:Nayuta Ito/素微分友愛数の研究の進展#結果2|証明]] | * 結果2: \( (p, q) \)が素微分友愛数の組のとき、\( p \)と\( q \)は互いに素である。[[利用者:Nayuta Ito/素微分友愛数の研究の進展#結果2|証明]] | ||
− | * 結果3: \( (p, q) \)が素微分友愛数の組のとき、\( p \)と\( q \) | + | * 結果3: \( (p, q) \)が素微分友愛数の組のとき、\( p \)と\( q \)の素因数の個数は合計で<s>60</s>59個以上である。[[利用者:Nayuta Ito/素微分友愛数の研究の進展#結果3|証明]] |
** 系3-1: \( (p, q) \)が素微分友愛数の組のとき、もし\( p \)と\( q \)がともに奇数であれば、\( p \)と\( q \)の素因数の個数は合計で1412個以上である。[[利用者:Nayuta Ito/素微分友愛数の研究の進展#系3-1|証明]] | ** 系3-1: \( (p, q) \)が素微分友愛数の組のとき、もし\( p \)と\( q \)がともに奇数であれば、\( p \)と\( q \)の素因数の個数は合計で1412個以上である。[[利用者:Nayuta Ito/素微分友愛数の研究の進展#系3-1|証明]] | ||
* 結果4: 素数階乗は素微分友愛数にならない。[[利用者:Nayuta Ito/素微分友愛数の研究の進展/独自研究#素数階乗は素微分友愛数にならない|証明]] | * 結果4: 素数階乗は素微分友愛数にならない。[[利用者:Nayuta Ito/素微分友愛数の研究の進展/独自研究#素数階乗は素微分友愛数にならない|証明]] | ||
+ | * 結果5: 素微分友愛数nがn=pqと奇素数の積で表されるとき、(p,q)≡(1,1)or(3,3)(mod4)[[利用者:Nayuta Ito/素微分友愛数の研究の進展#結果5|証明]] | ||
+ | * 結果6: (要修正)素微分友愛数の下限は<s>0.9526sqrt(P(60))</s>である。[[利用者:Nayuta Ito/素微分友愛数の研究の進展#結果6|証明]] | ||
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AMGMより素微分友愛数m,nに含まれる素因数の逆数の総和は2より大きくならないといけなくて<ref>\( m' = n = xm, n' = m = yn \)とすると、\( m \)と\( n \)が無平方数であることと素微分の定義から\( x \)と\( y \)はそれぞれ\( m \)と\( n \)に含まれる素因数の逆数の総和であり、かつ\( mn = xymn \)であるから\( xy = 1 \)である。よってAMGM(相加相乗不等式)から\( x + y \geq 2 \)がいえる。また等号成立条件である\( x = y = 1 \)のときは\( m = n \)となり素微分友愛数の条件を満たさないため、\( x + y > 2 \)が成り立つ。</ref> | AMGMより素微分友愛数m,nに含まれる素因数の逆数の総和は2より大きくならないといけなくて<ref>\( m' = n = xm, n' = m = yn \)とすると、\( m \)と\( n \)が無平方数であることと素微分の定義から\( x \)と\( y \)はそれぞれ\( m \)と\( n \)に含まれる素因数の逆数の総和であり、かつ\( mn = xymn \)であるから\( xy = 1 \)である。よってAMGM(相加相乗不等式)から\( x + y \geq 2 \)がいえる。また等号成立条件である\( x = y = 1 \)のときは\( m = n \)となり素微分友愛数の条件を満たさないため、\( x + y > 2 \)が成り立つ。</ref> | ||
− | (最初の59個の素数の逆数和は2より小さく、最初の60個の素数の逆数和は2より大きいことを数値計算で確認する) | + | <s>(最初の59個の素数の逆数和は2より小さく、最初の60個の素数の逆数和は2より大きいことを数値計算で確認する) |
− | というわけでごり押しの結果、m,nに含まれる素因数の個数の合計は少なくとも60個であることが判明しました | + | というわけでごり押しの結果、m,nに含まれる素因数の個数の合計は少なくとも60個であることが判明しました</s> |
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+ | いまnが素微分友愛数であるとすると、n 'もまた素微分友愛数。 | ||
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+ | なぜならn→n'→n→n'→…とループするからである。 | ||
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+ | そして素微分友愛数nは平方因子を持たない。 | ||
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+ | よってn=pqが素微分友愛数であるなら、n'=p+qは平方因子を持たない。 | ||
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+ | p,qは奇素数より、4で割って2余るか0余ることはない。 | ||
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+ | (p,q)≡(1,3)or(3,1)(mod4)であると仮定するとp+q≡0(mod4)となり、平方因子を持たないことに反する。 | ||
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+ | 以上より示された。 | ||
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+ | (凍み豆腐程度の能力様) | ||
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+ | 相異なる素数の逆数の組でその総和をtとした際、t^2-4が有理数の二乗で表せる組と素微分友愛数の組は対応しているはずなので... | ||
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+ | その条件下で二次方程式x^2-tx+1が互いに素な整数の組(p,q)を用いて(x-p/q)(x-q/p)と因数分解できるときpとqが素微分友愛数の組になるので | ||
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+ | 条件よりtはtの分母(>=P(60))を決めるだけで定まり | ||
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+ | このときp<qとするとp/q=(t-sqrt(t^2-4))/2となる<ref>0.9526は1/p_1+1/p_2+・・・+1/p_60をtとしたときのx^2-tx+1=0の解のうち小さい方である</ref> | ||
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<references /> | <references /> |
2022年5月21日 (土) 07:24時点における最新版
定義
\( ' \)は全て素微分を意味するものとする。
\( m \neq m' \)かつ\( m = m'' \)であるとき、\( m \)を素微分友愛数であるという。
また、簡単のため\( (m, m') \)の組を素微分友愛数であるということもある。
結果
- 結果1: \( n \)が素微分友愛数であるとき、\( n \)は平方因子を持たない。証明
- 結果2: \( (p, q) \)が素微分友愛数の組のとき、\( p \)と\( q \)は互いに素である。証明
- 結果3: \( (p, q) \)が素微分友愛数の組のとき、\( p \)と\( q \)の素因数の個数は合計で
6059個以上である。証明- 系3-1: \( (p, q) \)が素微分友愛数の組のとき、もし\( p \)と\( q \)がともに奇数であれば、\( p \)と\( q \)の素因数の個数は合計で1412個以上である。証明
- 結果4: 素数階乗は素微分友愛数にならない。証明
- 結果5: 素微分友愛数nがn=pqと奇素数の積で表されるとき、(p,q)≡(1,1)or(3,3)(mod4)証明
- 結果6: (要修正)素微分友愛数の下限は
0.9526sqrt(P(60))である。証明
証明
結果1
(マリポーサ様)
正整数nがn=n"となると仮定する。
nのある素因数pについて、n=p^im(mはpで割り切れない)と表すとすると、i<pでなければならない。
いまM=im+pm'とおく。
n'=p^(i-1)M
n"=(i-1)p^(i-2)M+p^(i-1)M'
n=n''より両辺をp^(i-2)で割って、
p^2m=(i-1)M+pM'⇔p*(pm-M')=(i-1)M
pは素数でi-1<pだからi-1はpで割り切れないので、M=im+pm'はpで割り切れる。
M/p=(im)/p+m'だが、i,mはともにpで割り切れないので不合理。
ゆえにn=n''は存在しない。
結果2
(広く知られている)
無平方数\( n \)の素因数分解が\( n = p_1p_2 \cdots p_m \)であるとき、
\( n' = \sum_{i=1}^m \left(p_1,p_2,\cdots,p_mからp_iを除いたものの総積\right) \)
である。\( p_k \)について考えると、右辺の和のうち\( i = k \)の項だけが\( p_k \)の倍数でなく、残りは全て\( p_k \)の倍数である。
\( k \)は\( 1 \leq k \leq m \)の範囲で任意に取れるので、\( n' \)は\( n \)のどの素因数の倍数でもない。よって、\( n \)と\( n' \)は互いに素である。
結果3
(凍み豆腐程度の能力様)
AMGMより素微分友愛数m,nに含まれる素因数の逆数の総和は2より大きくならないといけなくて[1]
(最初の59個の素数の逆数和は2より小さく、最初の60個の素数の逆数和は2より大きいことを数値計算で確認する)
というわけでごり押しの結果、m,nに含まれる素因数の個数の合計は少なくとも60個であることが判明しました
実は59個で足りることが判明した
系3-1
(Nayuta ItoによるPython3のコード)
import sympy total = 0 count = 0 for n in range(3, 100000): if sympy.isprime(n): total += 1 / n count += 1 if 1.999 < total and total < 2.001: print(n, count, total)
結果5
(マリポーサ様)
いまnが素微分友愛数であるとすると、n 'もまた素微分友愛数。
なぜならn→n'→n→n'→…とループするからである。
そして素微分友愛数nは平方因子を持たない。
よってn=pqが素微分友愛数であるなら、n'=p+qは平方因子を持たない。
p,qは奇素数より、4で割って2余るか0余ることはない。
(p,q)≡(1,3)or(3,1)(mod4)であると仮定するとp+q≡0(mod4)となり、平方因子を持たないことに反する。
以上より示された。
結果6
(要修正)
(凍み豆腐程度の能力様)
相異なる素数の逆数の組でその総和をtとした際、t^2-4が有理数の二乗で表せる組と素微分友愛数の組は対応しているはずなので...
その条件下で二次方程式x^2-tx+1が互いに素な整数の組(p,q)を用いて(x-p/q)(x-q/p)と因数分解できるときpとqが素微分友愛数の組になるので
条件よりtはtの分母(>=P(60))を決めるだけで定まり
このときp<qとするとp/q=(t-sqrt(t^2-4))/2となる[2]
注
- ↑ \( m' = n = xm, n' = m = yn \)とすると、\( m \)と\( n \)が無平方数であることと素微分の定義から\( x \)と\( y \)はそれぞれ\( m \)と\( n \)に含まれる素因数の逆数の総和であり、かつ\( mn = xymn \)であるから\( xy = 1 \)である。よってAMGM(相加相乗不等式)から\( x + y \geq 2 \)がいえる。また等号成立条件である\( x = y = 1 \)のときは\( m = n \)となり素微分友愛数の条件を満たさないため、\( x + y > 2 \)が成り立つ。
- ↑ 0.9526は1/p_1+1/p_2+・・・+1/p_60をtとしたときのx^2-tx+1=0の解のうち小さい方である