「三次関数の極値」の版間の差分
(→初級) タグ: モバイルウェブ編集、モバイル編集 |
タグ: モバイルウェブ編集、モバイル編集 |
||
(同じ利用者による、間の12版が非表示) | |||
3行目: | 3行目: | ||
すなわち | すなわち | ||
\begin{cases} | \begin{cases} | ||
− | y=f(x)\quad(三次式)\\ | + | y = f(x)\quad &(三次式)\\ |
− | 0=f'(x)\quad(二次式) | + | 0 = f'(x)\quad &(二次式) |
\end{cases} | \end{cases} | ||
− | となる $$ | + | となる $$y$$ を求めることになる。 |
+ | |||
==初級== | ==初級== | ||
$$f(x)$$ は三次式、 | $$f(x)$$ は三次式、 | ||
$$f'(x)$$ は二次式 | $$f'(x)$$ は二次式 | ||
であるので | であるので | ||
− | \[f(x)=(一次式)f'(x)+ax+b\] | + | \[f(x)=(一次式)\cdot f'(x)+ax+b\] |
− | + | と多項式の割り算によって変形ができる。 | |
二次方程式 $$f'(x)=0$$ の解は簡単に求まるが、この解を代入するに当たり、上の式は一次式ほどの労力しか要しない。 | 二次方程式 $$f'(x)=0$$ の解は簡単に求まるが、この解を代入するに当たり、上の式は一次式ほどの労力しか要しない。 | ||
よって比較的簡単に極値を求めることができる。 | よって比較的簡単に極値を求めることができる。 | ||
+ | |||
+ | $$f'(x)=0$$ の解を $$\alpha$$ として、極値 $$y$$ は | ||
+ | \[y=a\cdot\alpha + b\] | ||
+ | となる。 | ||
==中級== | ==中級== | ||
+ | $$x$$ の二次方程式 | ||
+ | $$f(x)=0$$ の解を | ||
+ | $$\alpha,\beta\ (\alpha<\beta)$$ とおく。 | ||
+ | \[f(x)=a(x-\alpha)(x-\beta)\] | ||
+ | とできる。 | ||
+ | |||
+ | 三次関数の点対称性を用いると、 | ||
+ | \[\frac{f(\alpha)+f(\beta)}2 | ||
+ | =f\left(\frac{\alpha+\beta}2\right)\] | ||
+ | |||
+ | $$f(\alpha)+f(\beta)$$ | ||
+ | が求まったので、 | ||
+ | $$f(\alpha)-f(\beta)$$ | ||
+ | を考える。 | ||
+ | 以下のように変形を行う。 | ||
+ | \begin{eqnarray*} | ||
+ | f(\alpha)-f(\beta) | ||
+ | &=& \int_\beta^\alpha f'(x)dx\\ | ||
+ | &=& \int_\beta^\alpha a(x-\alpha)(x-\beta)dx\\ | ||
+ | &=& \frac a6(\beta-\alpha)^3 | ||
+ | \end{eqnarray*} | ||
+ | |||
+ | まとめると | ||
+ | \begin{cases} | ||
+ | \displaystyle\frac{f(\alpha)+f(\beta)}2 | ||
+ | =f\left(\frac{\alpha+\beta}2\right)\\ | ||
+ | \displaystyle f(\alpha)-f(\beta) | ||
+ | =\frac a6(\beta-\alpha)^3 | ||
+ | \end{cases} | ||
+ | $$\alpha,\beta$$ は二次方程式の解なので、和や差については特に簡単に求めることができる。 | ||
+ | よって、これを連立することによって | ||
+ | $$f(\alpha),f(\beta)$$ | ||
+ | を簡単に求めることができる。 | ||
+ | |||
+ | |||
+ | \[f'(x)=ax^2+bx+c\]として、 | ||
+ | また 二次方程式 $$f'(x)=0$$ | ||
+ | の判別式を $$D$$ とおくと、 | ||
+ | |||
+ | \begin{cases} | ||
+ | \displaystyle f(\alpha)+f(\beta) | ||
+ | =2\cdot f\left(\frac12\cdot\frac{-b}a\right)\\ | ||
+ | \displaystyle f(\alpha)-f(\beta) | ||
+ | =\frac a6\left(\frac{\sqrt D}a\right)^3 | ||
+ | \end{cases} | ||
+ | \[f(\alpha),f(\beta) | ||
+ | =f\left(-\frac b{2a}\right)\pm | ||
+ | \frac{D^{\frac32}}{12a^2}\] |
2019年12月12日 (木) 13:15時点における最新版
三次関数\[y=f(x)\]の極値を考える。
すなわち \begin{cases} y = f(x)\quad &(三次式)\\ 0 = f'(x)\quad &(二次式) \end{cases} となる $$y$$ を求めることになる。
初級
$$f(x)$$ は三次式、 $$f'(x)$$ は二次式 であるので \[f(x)=(一次式)\cdot f'(x)+ax+b\] と多項式の割り算によって変形ができる。
二次方程式 $$f'(x)=0$$ の解は簡単に求まるが、この解を代入するに当たり、上の式は一次式ほどの労力しか要しない。
よって比較的簡単に極値を求めることができる。
$$f'(x)=0$$ の解を $$\alpha$$ として、極値 $$y$$ は \[y=a\cdot\alpha + b\] となる。
中級
$$x$$ の二次方程式 $$f(x)=0$$ の解を $$\alpha,\beta\ (\alpha<\beta)$$ とおく。 \[f(x)=a(x-\alpha)(x-\beta)\] とできる。
三次関数の点対称性を用いると、 \[\frac{f(\alpha)+f(\beta)}2 =f\left(\frac{\alpha+\beta}2\right)\]
$$f(\alpha)+f(\beta)$$ が求まったので、 $$f(\alpha)-f(\beta)$$ を考える。 以下のように変形を行う。 \begin{eqnarray*} f(\alpha)-f(\beta) &=& \int_\beta^\alpha f'(x)dx\\ &=& \int_\beta^\alpha a(x-\alpha)(x-\beta)dx\\ &=& \frac a6(\beta-\alpha)^3 \end{eqnarray*}
まとめると \begin{cases} \displaystyle\frac{f(\alpha)+f(\beta)}2 =f\left(\frac{\alpha+\beta}2\right)\\ \displaystyle f(\alpha)-f(\beta) =\frac a6(\beta-\alpha)^3 \end{cases} $$\alpha,\beta$$ は二次方程式の解なので、和や差については特に簡単に求めることができる。 よって、これを連立することによって $$f(\alpha),f(\beta)$$ を簡単に求めることができる。
\[f'(x)=ax^2+bx+c\]として、
また 二次方程式 $$f'(x)=0$$
の判別式を $$D$$ とおくと、
\begin{cases} \displaystyle f(\alpha)+f(\beta) =2\cdot f\left(\frac12\cdot\frac{-b}a\right)\\ \displaystyle f(\alpha)-f(\beta) =\frac a6\left(\frac{\sqrt D}a\right)^3 \end{cases} \[f(\alpha),f(\beta) =f\left(-\frac b{2a}\right)\pm \frac{D^{\frac32}}{12a^2}\]