「利用者:Nayuta Ito/素微分友愛数の研究の進展/独自研究」の版間の差分

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\( p_n \)で\( n \)番目の素数を表す。また、\( \log \)は全て自然対数である。
 
\( p_n \)で\( n \)番目の素数を表す。また、\( \log \)は全て自然対数である。
  
==予想: 素数の2倍が素微分友愛数となることはない==
+
==2個の素数の積で表される素微分友愛数について==
  
pを素数とし、2pが素微分友愛数であるとする
+
\( p, q \)を素数とし、\( p < q \)とする。\( pq \)が素微分友愛数であるとする
  
(2p)'=p+2である
+
===主張: 2個の素数は「離れて」いる===
  
p+2が約数がすごく多くて微分すると2pに戻ってくる
+
\( (pq)'' = (p+q)' < \frac{\log_2{(p+q)}}{2}(p+q) < \frac{\log_2{2q}}{2} \cdot 2q = q(1 + \log_2{q}) \)
  
pを6で割った余りで場合分けする
+
なので
  
===p=6a+1のとき===
+
\( p < 1 + \log_2{q} \)
  
p+2=6a+3=3(2a+1)なのでこれは3の倍数になる
+
すなわち
  
<nowiki>2a+1=bとおくと2p=(2p)''=(2a+1)+3b'となる</nowiki>
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\( q > 2^{p-1} \)
  
これが偶数ということはb'は奇数
+
である
  
b'=2c+1とすると
+
===予想: 2つの素数がどちらも2でも3でもないとする。このとき、両方を6で割った余りは等しい===
  
a+3c+2=pである
+
\( p = 6n + 1, q = 6m - 1 \)とすると
  
p=6a+1と仮定したのでa%3=2
+
\( (pq)'' = (p+q)' = (6(n+m))' = 5(n+m)+6(n+m)' \)
  
a=3d+2とする(このときp=18d+13である)
+
そのため\( n + m \)は2の倍数でも3の倍数でもない
  
3d+3c+4=pである
+
WIP
 
 
このとき明らかにc+dは奇数
 
 
 
===p=6a-1のとき===
 
 
 
p+2=6a+1は奇数
 
 
 
==予想: 素数の5倍が素微分友愛数となることはない==
 
 
 
pを素数とし、5pが素微分友愛数であるとする
 
 
 
(5p)'=p+5である
 
 
 
p+5が約数がすごく多くて微分すると5pに戻ってくる
 
 
 
かなりえぐい
 
 
 
pを5で割った余りで場合分けする
 
 
 
===p=6a+1のとき===
 
 
 
p+5=6a+6=2・3(a+1)
 
 
 
(p+2)'=3(a+1)+2(a+1)+6(a+1)'=5(a+1)+6(a+1)'=5a+5+6(a+1)'
 
 
 
すなわち6(a+1)'=a+1である
 
 
 
a+1は6の倍数なのでa=6b-1とする
 
 
 
このとき(a+1)'=(6b)'=5b+6b'であるから
 
 
 
6(a+1)'=30b+36b'>6b=a
 
 
 
よって矛盾が生じた
 
 
 
===p=6a-1のとき===
 
 
 
p%4=1なのでp=12b+5と書ける
 
 
 
p+5=2(6b+5)は偶数
 
 
 
<nowiki>6b+5=cとおくと(5p)''=(6b+5)+2c'となる</nowiki>
 
  
 
==定理: 素数階乗は素微分友愛数にならない==
 
==定理: 素数階乗は素微分友愛数にならない==
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最初の59個の素数のうち、どちらにも含まれない素因数が存在するとし、それを\( p_a \)とすると、両方の素因数の逆数の総和は次の和以下である:
 
最初の59個の素数のうち、どちらにも含まれない素因数が存在するとし、それを\( p_a \)とすると、両方の素因数の逆数の総和は次の和以下である:
  
\( \sum_{k={x \mid 1 \leq x \leq 59, x \neq a}} \frac{1}{p_a} + \frac{1}{60} \)
+
\( \sum_{k=\{x \mid 1 \leq x \leq 59, x \neq a\}} \frac{1}{p_a} + \frac{1}{60} \)
  
 
これは\( a \)に関して単調増加し、\( a \leq 39 \)では\( 2 \)より小さい
 
これは\( a \)に関して単調増加し、\( a \leq 39 \)では\( 2 \)より小さい
  
よって\( p_39 = 167 \)以下の素数は必ず一方に現れる
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よって\( p_{39} = 167 \)以下の素数は必ず一方に現れる
  
 
\( p_1 = 2 \)を持つ方を偶数の方、持たない方を奇数の方と呼ぶことにする
 
\( p_1 = 2 \)を持つ方を偶数の方、持たない方を奇数の方と呼ぶことにする
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この定義はwell-definedである
 
この定義はwell-definedである
  
\( \sum_{k=1}^{59} \frac{1}{p_k} < 2.003 \)であるから、定理6と同じ論法により片方の素因数の逆数の総和は0.94と1.06に間にあることがわかる
+
また定理6と同じ論法により素数の逆数の総和は0.96と1.04の間にあることが分かる(後で詳しく書く)
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===ケース1. 偶数の方が3と5を因子に持つとき===
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奇数の方の素因数は全て7以上である
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\( \frac{1}{7} \)以降の素数の逆数の総和で0.96を超えるためには少なくとも\( \frac{1}{p_{57}} \)まで足す必要がある
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すなわち奇数の方には素因数が少なくとも54個存在する
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よって偶数の方には素因数は最大5個しかない
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また\( \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \frac{1}{5} + \frac{1}{149} > 1.04 \)であるから7と149の間の素数(32個)は全て奇数の方に入る
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====ケース1-a. 偶数の方が3個の素因数を持つとき====
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その3個は2,3,5であるが2×3×5=30は素微分友愛数ではない
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====ケース1-b. 偶数の方が4個の素因数を持つとき====
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奇数の方は55個の素因数を持つため\( 2^{55} \)より大きい
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よって偶数の方は\( 2^{55} \times 0.96 > 2^{54} > 2^{49} \times 30 \)より大きい
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偶数の方を\( 30p \)とすると\( p > 2^{49} \)である
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このとき\( \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \frac{1}{5} + \frac{1}{2^{49}} < 1.034 \)であるが
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\( \sum_{k=1}^{55} \frac{1}{p_{k+3}} < 0.966 \)なので
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\( 1.034 \times 0.966 = (1+0.034)(1-0.034) < 1 \)より条件を満たさない
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====ケース1-c. 偶数の方が5個の素因数を持つとき====
 +
 
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奇数の方は54個の素因数を持つため\( 2^{54} \)より大きい
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偶数の方を\( 30pq (p,q \in \mathbb{P}, p < q)\)とする
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\( pq > \frac{2^{54}}{30} > 2^{49} \)であるから\( p > 2^{24.5} \)である
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このとき\( \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \frac{1}{5} + \frac{1}{2^{24.5}} < 1.034 \)なので
 +
 
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やはり条件を満たさない
  
\( \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \frac{1}{5} + \frac{1}{7} > 1.06 \)であるから、偶数の方は210の倍数にはならない
+
===ケース2. 偶数の方が3を因子に持ち5を因子に持たないとき===
  
偶数の方が30の倍数であるとする
+
===ケース3. 偶数の方が5を因子に持ち3を因子に持たないとき===
  
\( \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \frac{1}{5} = \frac{31}{30} > 1.03 \)であるため、\( 31 \)以下の他の素因数は全て奇数の方が持つ
+
===ケース4. 偶数の方が3と5を因子に持たないとき===

2022年5月29日 (日) 15:59時点における最新版

\( p_n \)で\( n \)番目の素数を表す。また、\( \log \)は全て自然対数である。

2個の素数の積で表される素微分友愛数について

\( p, q \)を素数とし、\( p < q \)とする。\( pq \)が素微分友愛数であるとする

主張: 2個の素数は「離れて」いる

\( (pq)'' = (p+q)' < \frac{\log_2{(p+q)}}{2}(p+q) < \frac{\log_2{2q}}{2} \cdot 2q = q(1 + \log_2{q}) \)

なので

\( p < 1 + \log_2{q} \)

すなわち

\( q > 2^{p-1} \)

である

予想: 2つの素数がどちらも2でも3でもないとする。このとき、両方を6で割った余りは等しい

\( p = 6n + 1, q = 6m - 1 \)とすると

\( (pq)'' = (p+q)' = (6(n+m))' = 5(n+m)+6(n+m)' \)

そのため\( n + m \)は2の倍数でも3の倍数でもない

WIP

定理: 素数階乗は素微分友愛数にならない

素数定理

Rosser's Theoremによると、\( n \)番目の素数は\( n \log{n} \)より大きい。

また、\( n \geq 6 \)のとき、\( n \)番目の素数は\( n (\log{n} + \log{\log{n}}) \)より小さいことが知られている。

\( n (\log{n} + \log{\log{n}}) < 2n \log{n} \)であることは容易にわかる。また、数値計算と合わせて\( p_n < 2n \log{n} \)が\( n \geq 3 \)で成り立つことが分かる。

証明

10番目(29#)までの素数階乗は実験により素微分友愛数でないことが確かめられる

\( n \geq 11 \)とする

N=(n番目の素数階乗)について考えその大きさを評価する

\( N < (2n \log{n})^n \)である

\( \begin{align*} & N' \\ <& \frac{1}{2} \cdot (2n \log{n})^n \cdot n \\ =& 2^{n-1} \cdot (\log{n})^n \cdot n^{n+1} \\ =& n^{n+1 + (n-1)\log_n{2} + n\log_n{\log{n}}} \\ <& n^{n+1 + n\log_n{(2\log{n})}} \\ <& n^{n+1 + n\log_n{(2n^{0.37})}} (\because \log{n} \leq n^{\frac{1}{e}}) \\ <& n^{n+1 + 0.37n + n\log_n{2}} \\ <& n^{n+0.1n + 0.37n + 0.29n} \\ <& n^{1.76n} \end{align*} \)

\( N' \)の素因数は\( n \)より大きいので、素因数は最大でも\( 1.76n \)個しか持たない

よって\( N' \)の素因数の逆数の総和を\( T \)とすると

\( 0 < T < \frac{1.76n}{n\log{n}} = \frac{1.76}{\log{n}} \)

が成り立つ

また\( N \)の素因数の逆数の総和を\( S \)とすると

\( \begin{align*} & S \\ <& \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \cdots + \frac{1}{p_n} \\ \leq & \sum_{k=1}^{10}\frac{1}{p_k} + \sum_{k=11}^n \frac{1}{n\log{n}} \\ <& \sum_{k=1}^{10}\frac{1}{p_k} + \int_{10}^n \frac{1}{x\log{x}} dx (\because \frac{1}{x\log{x}}は単調減少) \\ =& \sum_{k=1}^{10}\frac{1}{p_k} + \log{\log{n}} - \log{\log{10}} \\ <& \log{\log{n}} + 0.7 \\ \end{align*} \)

であるから

\( S \cdot T < \frac{1.76}{\log{n}}(\log{\log{n}} + 0.7) \)

である。

\( f(x) = \frac{1.76}{\log{x}}(\log{\log{x}} + 0.7) \)

とおくと、

\( \frac{d}{dx}f(x) = - \frac{1.76(\log{\log{x}}-0.3)}{x(\log{x})^2} \)

であるから、\( x > 4 > e^{e^{0.3}} \)で\( f(x) \)は単調減少である。

数値計算によると\( x \geq 30 \)で\( f(x) < 1 \)となるから矛盾。

よって\( 29 \)番目の素数階乗まで調べればよい。わんだほーい!!!

実験

コード

\( \left(p_n\#\right)' \)を計算するPython3のコード

# coding: utf-8
# Your code here!

import sympy

n = 10

primes = []

for i in range(n*n):
    if sympy.isprime(i):
        primes.append(i)
    if len(primes) == n:
        break

total = 0

for p1 in primes:
    term = 1
    for p2 in primes:
        if p1 != p2:
            term *= p2
    total += term

print(total)
print(sympy.factorint(total))

判定法

\( 29 \)番目までの素数の逆数和が\( 2 \)に満たないこと、\( \frac{1}{7}+\frac{1}{11}+\cdots+\frac{1}{23} < 0.5 \)であることから、\( 5\# \)以降について、素因数が6個以下であれば素微分友愛数ではないことがわかる。

結果

  1. (2#)'=1=1
  2. (3#)'=5=5
  3. (5#)'=31=31
  4. (7#)'=247=13×19
  5. (11#)'=2927=2927
  6. (13#)'=40361=40361
  7. (17#)'=716167=19×37693
  8. (19#)'=14117683=37×381559
  9. (23#)'=334406399=43×163×47711
  10. (29#)'=9920878441=269×36880589
  11. (31#)'=314016924901=61×4253×1210397
  12. (37#)'=11819186711467=79×82913×1804421
  13. (41#)'=492007393304957=2683561×183341237
  14. (43#)'=21460568175640361=47×456607833524263
  15. (47#)'=1021729465586766997=1559×655374897746483
  16. (53#)'=54766551458687142251=1701437×32188409831623
  17. (59#)'=3263815694539731437539=1087×3002590335363138397
  18. (61#)'=201015517717077830328949=201015517717077830328949
  19. (67#)'=13585328068403621603022853=13585328068403621603022853
  20. (71#)'=972416614407737400870501653=653×24310877×61254579539162813
  21. (73#)'=71544353681891529224514036059=79×905624730150525686386253621
  22. (79#)'=5692733621468679832887230172131=5692733621468679832887230172131
  23. (83#)'=475714535349241099037539188841003=6991×17117×31727×125299823719985846887
  24. (89#)'=42605658161771733665696611824842057=128427649157×331748330218886478419701
  25. (97#)'=4156517583588203716343221884611037839=11887×349669183443106226663011851990497
  26. (101#)'=422113843906354093775418512493046577809=2549×165599781838506902226527466650861741
  27. (103#)'=43710588286712969019768170103664304877397=20831283974697087833×2098314647325937289309
  28. (107#)'=4701017770207212913287900722730772880277689=109×25013×45090757000504693×38239489461719284069
  29. (109#)'=514977313070181206962860776592994315598662571=155963971×3301899212800764139064276432106196601

以上より示された。

定理: \( a > 1 \)を定数とする。\( N = p_n\# \cdot M \)、ただし\( M \)の最大素因数は\( p_{an} \)以下、と表されるような\( N \)のうち、素微分友愛数は\( a \)ごとに有限個しかない

補題

補題1

\( x > 1, y \geq 1 \)のとき\( \log(x+y) < \log(x) + \frac{y}{x} \)

\( y \)の関数\( \log(x+y) \)は上に凸なので\( \log(x+y) < \log{x} + \frac{y}{x} \)が従う

補題2

\( x > 1, y \geq 1 \)のとき

$$ \log(\log(x+y)) < \log(\log(x) + \frac{y}{x}) < \log(\log(x)) + \frac{y}{x\log{x}} $$

補題3

\( n \geq 3 \)とする

\( \begin{align*} & \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{p_k} \\ =& \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \sum_{k=3}^{n} \frac{1}{p_k} \\ <& \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \sum_{k=3}^{n} \frac{1}{k\log{k}} \\ <& \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \sum_{k=3}^{n} \int_{k-1}^k \frac{1}{x\log{x}} dx \\ =& \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \sum_{k=3}^{n} (\log{\log{k}} - \log{\log{(k-1)}}) \\ =& \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \log{\log{n}} - \log{\log{2}} \\ <& \log{\log{n}} + 1.2 \end{align*} \)

証明

\( n \geq 2a, n \geq 3 \)としてよい

\( p_n\# < (2n \log{n})^n, N < (2an \log{an})^{an} \)であるから

\( \begin{align*} & N' \\ <& \frac{1}{2} \cdot (2an \log{an})^{an} \cdot (an) \\ =& \frac{1}{2} \cdot 2^{an} \cdot (an)^{an} \cdot (\log{a}+\log{n})^{an} \cdot an \\ <& n^{(an-1)\log_n{2} + an(1+\log_n{a}) + an(\log_n(\log{a}+\log{n})) + (1 + \log_n{a})} \\ <& n^{-\log_n{2} + an(\log_n{2} + 1 + \log_n{a} + \log_n(2\log{n})) + 2} \\ =& n^{-\log_n{2} + an(\log_n{2a} + 1 + \log_n(2\log{n})) + 2} \\ <& n^{-1 + 3an + 2} \\ =& n^{3an+1} \\ \end{align*} \)

であるから\( N' \)の素因数の個数は\( 3an+1 \)個以下である。また、\( N' \)の素因数は全て\( p_{n+1} \)以上であるから、\( N' \)の素因数の逆数の総和を\( T \)とすると、

$$ T < \frac{3an+1}{n\log{n}} = \frac{3a + \frac{1}{n}}{\log{n}} $$

である。また、\( N \)の素因数の逆数の総和を\( S \)とすると、

\( \begin{align*} & S \\ <& \sum_{k=1}^{an} \frac{1}{p_k} \\ <& \log{\log{an}} + 1.2 \end{align*} \)

よって

\( S \cdot T < \frac{3a + \frac{1}{n}}{\log{n}}(\log{\log{an}} + 1.2) \)

であり、これは\( \displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty} \)で\( 0 \)に収束する。

よって、十分大きい\( n \)に対して\( S \cdot T < 1 \)となるから、題意が示された。

数値計算

たとえば\( a = 2 \)のとき\( S \cdot T < 1 \)となる\( n \)は・・・

6000億だそうです。わんわんわんだほーーーい!!!


補遺: どうやらこの\( n \)は\( a \)に対して指数より速く増加するらしい。もうまぢ無理。。。

\( an \)を\( n+a \)に変えて再計算する

\( n > 10a, n + a < n^{1.1}, n \geq 11 \)とする

このとき\( n + a < 1.1n \)である

\( \begin{align*} & N' \\ <& \frac{1}{2} \cdot (2(n+a) \log{(n+a)})^{(n+a)} \cdot (n+a) \\ =& \frac{1}{2} \cdot 2^{(n+a)} \cdot (n+a)^{n+a} \cdot (\log{(n+a)})^{n+a} \cdot (n+a) \\ <& 1 \cdot n^{(n+a)\log_n{2}} \cdot n^{1.1(n+a)} \cdot {1.1}^{n+a} \cdot n^{1.1} \\ <& n^{0.3(n+a)} \cdot n^{1.1(n+a)} \cdot n^{\log_n{1.1} \cdot (n+a)} \cdot n^{1.1} \\ <& n^{0.3(n+a)} \cdot n^{1.1(n+a)} \cdot n^{0.1(n+a)} \cdot n^{1.1} \\ =& n^{1.5n+1.5a+1.1} \\ \leq& n^{1.6n+1.1a} \\ \leq& n^{1.8n} \end{align*} \)

\( n \)が\( {10}^3 \)オーダーまで下がってくる

定理: 1組の素微分友愛数の素因数の個数の合計がちょうど59個になることはない

最初の59個の素数のうち、どちらにも含まれない素因数が存在するとし、それを\( p_a \)とすると、両方の素因数の逆数の総和は次の和以下である:

\( \sum_{k=\{x \mid 1 \leq x \leq 59, x \neq a\}} \frac{1}{p_a} + \frac{1}{60} \)

これは\( a \)に関して単調増加し、\( a \leq 39 \)では\( 2 \)より小さい

よって\( p_{39} = 167 \)以下の素数は必ず一方に現れる

\( p_1 = 2 \)を持つ方を偶数の方、持たない方を奇数の方と呼ぶことにする

この定義はwell-definedである

また定理6と同じ論法により素数の逆数の総和は0.96と1.04の間にあることが分かる(後で詳しく書く)

ケース1. 偶数の方が3と5を因子に持つとき

奇数の方の素因数は全て7以上である

\( \frac{1}{7} \)以降の素数の逆数の総和で0.96を超えるためには少なくとも\( \frac{1}{p_{57}} \)まで足す必要がある

すなわち奇数の方には素因数が少なくとも54個存在する

よって偶数の方には素因数は最大5個しかない

また\( \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \frac{1}{5} + \frac{1}{149} > 1.04 \)であるから7と149の間の素数(32個)は全て奇数の方に入る

ケース1-a. 偶数の方が3個の素因数を持つとき

その3個は2,3,5であるが2×3×5=30は素微分友愛数ではない

ケース1-b. 偶数の方が4個の素因数を持つとき

奇数の方は55個の素因数を持つため\( 2^{55} \)より大きい

よって偶数の方は\( 2^{55} \times 0.96 > 2^{54} > 2^{49} \times 30 \)より大きい

偶数の方を\( 30p \)とすると\( p > 2^{49} \)である

このとき\( \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \frac{1}{5} + \frac{1}{2^{49}} < 1.034 \)であるが

\( \sum_{k=1}^{55} \frac{1}{p_{k+3}} < 0.966 \)なので

\( 1.034 \times 0.966 = (1+0.034)(1-0.034) < 1 \)より条件を満たさない

ケース1-c. 偶数の方が5個の素因数を持つとき

奇数の方は54個の素因数を持つため\( 2^{54} \)より大きい

偶数の方を\( 30pq (p,q \in \mathbb{P}, p < q)\)とする

\( pq > \frac{2^{54}}{30} > 2^{49} \)であるから\( p > 2^{24.5} \)である

このとき\( \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \frac{1}{5} + \frac{1}{2^{24.5}} < 1.034 \)なので

やはり条件を満たさない

ケース2. 偶数の方が3を因子に持ち5を因子に持たないとき

ケース3. 偶数の方が5を因子に持ち3を因子に持たないとき

ケース4. 偶数の方が3と5を因子に持たないとき