差分

ナビゲーションに移動 検索に移動

素微分

2,137 バイト追加, 2020年5月20日 (水) 02:13
編集の要約なし
そのため、一般の微分法とは異なる手法であることに注意していただきたい。
以下、特に断りがない限り$$a,b\in \mathbb{NQ},p$$:素数とする。
== 定義 ==
自然数$$n$$に対しその素微分$$n'$$を
:$$\displaystyle n'=\beginprod_{cases}0\:(ni=1~のとき~)}^{\\1\:(n=p~のとき~)\\a'b+ab'\:(n=ab~のとき~)\endinfty}p_i^{casesq_i}$$
と定義する。と素因数分解する。
これは、このとき$$n$$の素微分$$n'$$を
:$$\displaystyle n'=\left(\prod_{i=01}^{\infty}p_i^{q_i}\right)\left(\sum_{j-=1}p_i^{q_i\infty}\frac{q_j}{p_j}\right)$$
とかけるとき($$p_i$$は小さいほうから$$i$$番目の素数) :$$\displaystyle n'=n\sum_{i=0}^{j-1}\frac{q_i}{p_i}$$ と一般化される。(ライプニッツ則)と定義する。
この形から、素因数分解の一意性が成り立つことより素微分も一意に定まることが容易にわかる。
== 性質 ==
簡単にわかる性質として定義より
:$$\begin{align*}0'=&1'=0\\p'=&1\\(ab)'=&a'b+ab'\\(a^b)'=&a'ba^{b-1}\end{align*}$$
特に,:$$(a^b)'=a'ba^\begin{b-1align*}$$ 特に :$$(p^a)'=&ap^{a-1},\\(p^p)'=&p^p\end{align*}$$ が成り立つ。などが分かる。
== 拡張 ==
=== 整数 有理数・一部の無理数 === :$$(-a)'=-a'$$ とすると、負の整数に素微分を拡張できる。 === 有理数 === $$a\neq 0$$とする。このとき
:$$\displaystyle\leftq_i$$を有理数まで許すと同様の定義で一部の無理数(\frac{$$a,b}{a}\right)'=in \fracmathbb{ab'-a'bQ}{,a^2}b$$と書けるもの)まで素微分を拡張できる。
と定義する。
 
=== 一部の無理数 ===
 
:$$a,b\in \mathbb{Q}$$とする。
 
このとき$$a^b$$の形に限っては素微分が可能である。
 
:$$(a^b)'=a'ba^{b-1}$$
 
と、自然数と同様の形で定義できる。
=== 複素数 ===
== 対数素微分 ==
ある数ある素微分が定義できる数$$a$$に対し、
:$$\begin{align*}
を$$a$$の'''対数素微分(関数)'''(arithmetically logarithmic (function))という。
この関数は自然数に対し完全加法的である。この関数は完全加法的(つまり$$\text{ld}(ab)=\text{ld}(a)+\text{ld}(b)$$を満たす)である。
=== 例 ===
:$$\begin{align*}
\text{ld}(90)=&\text{ld}(2\cdot 3^2\cdot 5)\\
=&\frac12+\frac23+\frac15\\
=&\frac{41}{30}
== 不等式 ==
:$$\displaystyle n=\prod_{i=01}^{\infty}p_i^{j-q_i}$$ となるとき :$$\displaystyle n'=n\sum_{i=1}p_i^{\infty}\frac{q_i}{p_i}$$としたとき
$$\displaystyle n'=n\sum_{i=0}^{j-1}\frac{q_i}{p_i}$$となってであり
$$j$$変数の相加相乗平均を用いることで、相加相乗平均を用いることで
:$$n'\geqq\Omega(n)n^{\frac{\Omega(n)-1}{\Omega(n)}}$$ を得る。(等号成立は$$n=p^a$$のとき) 対数素微分を用いると$$n>0$$のとき $$\text{ld}(n)\geqq \Omega(n)n^{-\frac{1}{\Omega(n)}}$$ と書ける。 このとき、$$\Omega(n)$$は $$\displaystyle\Omega(n)=\sum_{i=1}^{\infty}q_i$$ で定義されるビッグオメガ関数である。 == 素底を用いた定義 == === 定義 === '''素底'''(そてい)とは素数を拡張した概念である。 自然数$$n$$に対して :$$\displaystyle n=\prod_{i=1}^{\infty}p_i^{q_i}$$ ($$q_i$$:有理数) と書いたときに一意性(素底因数分解の一意性)が成り立つような$$p_i$$を素底という。 例えば$$2,6$$が素底だった時、$$3$$は$$2\times 3=6$$と表わされるため素底でない。 特に記述がない場合、素底は素数とする。 このとき、$$n$$の(拡張した)素微分を :$$\displaystyle n'=\left(\prod_{i=1}^{\infty}p_i^{q_i}\right)\left(\sum_{j=1}^{\infty}\frac{q_i}{p_i}\right)$$ と定義する。 === 例 === $$2$$の代わりに$$4$$を素底としたときの$$6$$の素微分$$6'$$は :$$\begin{align*}6'=&(2\times 3)'\\=&(4^{\frac12}\times 3)'\\=&\frac12\times 4^{-\frac12}\times 3+4^{\frac12}\\=&\frac34+2\\=&\frac94\end{align*}$$ == 既存数学への応用 == === 素数の無限性 === (証明) 補題:$$p,n$$に対して$$(pn)'$$が$$p$$の倍数であることの必要十分条件は$$n$$が$$p$$の倍数であることである (補題証明) いま$$n$$が$$p$$の倍数であるとすると、$$(pn)'=n+pn'$$より左辺は$$p$$の倍数となる。逆に$$(pn)'$$が$$p$$の倍数であるとすると、$$(pn)'=n+pn'\equiv 0(\text{mod}p)\Rightarrow n\equiv 0(\text{mod}p)$$なので示された。 (補題証明終) いま$$2$$から$$p$$までを全て掛け合わせた素数階乗を$$P$$とする。 :$$P=2\times 3\times \ldots \times p$$ このとき、$$\displaystyle P'=\left(2\times \frac{P}{2}\right)'$$であり、$$\displaystyle \frac{P}{2}$$は$$2$$の倍数でない。よって補題より$$P'$$は$$2$$の倍数でない。同様に$$P'$$は$$3,5,\ldots ,p$$の倍数でない。そして$$P$$は合成数より、$$P'$$は$$1$$より大きいから少なくとも1つの素因数をもつ。ゆえに$$P'$$は$$p$$より大きい素因数をもつ。これよりいくらでも大きい素数を作れるので素数は無限個存在することが示された。 (証明終)
== 未解決問題 ==
を満たす$$m,n$$の組を'''素微分友愛数'''とする。
現在、素微分完全数以外の素微分友愛数は見つかっておらず、存在するかしないかの証明も存在しない。現在、素微分完全数以外の素微分友愛数は見つかっておらず、存在するかしないかの証明はなされていない。
Wikiいけめん
11

回編集

案内メニュー